こうと決めたら、とにかく持続することが大切。

こうと決めたら、とにかく持続することが大切。

株式会社CS・グループ代表取締役梶谷隆之さん

green wedding 22 プロジェクト「green wedding 22」プロジェクトというものをご存知だろうか。結婚式を通して、CO2削減や途上国の子どもたちにワクチンを届けることができる、社会貢献型のウェディング・プランのことだ。今回は、この「green wedding 22」プロジェクトをホテルや結婚式場に提案している株式会社CS・グループの代表取締役・梶谷隆之さんに、ウェディングを通して実現したいこと、人脈から生まれた新たなビジネスについて伺った。

梶谷隆之さんのトレンドリング
株式会社CS・グループ 代表取締役 梶谷 隆之さん(42歳)
高校卒業後、アパレル店員を経て、23歳で独立。アパレルショップ、保育園の経営を経験したのち、イベントプロデュース業に従事。2007年、株式会社CS・グループ設立、現在に至る。

― このたび梶谷さんをご紹介くださった、酒井産業株式会社の酒井慶太郎さんとの出会いについて教えてください。

梶谷隆之さんたしか、「インターナショナル プレミアム・インセンティブショー」というイベントで、私のほうから声をかけたのがきっかけです。その後、国産間伐材を使って当社PB(プライベート・ブランド)のウェルカムボードを作りたいと酒井さんに相談したところ、翌日にサンプルを送ってくれたんです。すごい行動力ですよね。おかげで早期にウェルカムボードの商品化が実現できました。ビジネスにおいて、人、つまり「誰と仕事をするか」はとても重要なポイントだと思います。酒井さんとは肌が合うし、日本の森を再生したいという共通の思いもある。その酒井さんから卸してもらった商品となれば、思い入れもいっそう強くなり、自分を奮起させることができます。

― 梶谷さんが、「green wedding 22」という事業を立ち上げた経緯をお聞かせください。

数年前、港区主催の「森と水の会議」に何気なく参加した際、この2、3年で世の中が環境問題に真剣に取り組む時代が来ると実感しました。そのころ私は、ホテルでのお別れ会をプロデュースする事業に携わっており、ホテルや結婚式場の方々との出会いが多くありました。そのなかで出会ったのが、当社会長の赤井武彦氏です。ブライダル業界に精通した赤井氏と一緒に、業界全体で取り組める環境プロジェクトを立ち上げられないかと考えたのが、この事業を始めたきっかけです。

もともと私は、募金活動をする子どもたちの前を素通りできないタイプなんです。人のために何かをすると、自分も幸せな気持ちになれますよね。私と同じように、人の役に立ちたいと思っている人は多いはずです。でも、なかなか具体的な行動に移せないでいる人もかなり多いのではないでしょうか。そこで、「green wedding 22」プロジェクトを通して、環境と子どもたちを守る取り組みをさまざまなプランやアイテムで提案することにしました。お客様が選びやすいようにPB商品を用意し、「green wedding 22」というプランで提案することにしました。おかげさまで多くのホテルや結婚式場に賛同いただき、今年はさまざまな場所で「green wedding 22」を挙げられるようになります。

― 「green wedding 22」とは、どのような結婚式なのですか?

具体的には、「カーボンオフセット」「森づくりプロジェクト支援」「1ギフト1ワクチン」などのメニューがあります。「カーボンオフセット」とは、結婚披露宴でどうしても排出してしまうCO2を、「CO2削減プロジェクト」に費用を投じることで打ち消す(=オフセットする)というものです。「森づくりプロジェクト支援」は、国産間伐材でできたウェルカムボードやギフト商品を使うと、1,000円が「more trees(モア・トゥリーズ)」に寄付され、「森づくりプロジェクト」の活動に役立てられます。「1ギフト1ワクチン」は、式の列席者にお配りするプチギフト1つにつき、ワクチン1本分にあたる20円がNPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」に寄付されます。これらのメニューを基本に、各ホテルや結婚式場のニーズに合わせて商品やメニューを開発しています。

梶谷隆之さん

結婚式は、カップルが夫婦になって初めて行う共同作業です。その結婚式を通じて、環境や子どもたちを守る活動に参加することで、結婚の幸せだけでなく、誰かのためになるという、“ほんのりした幸せ感”も必要だと考えています。そして、当社が発行する「グリーンウェディング証明書」を家に飾っていただき、将来、お子さんが生まれたときに、「お父さんとお母さんは、こんな結婚式を挙げたんだよ」と話してあげてほしいですね。

「green wedding 22」の「22」には、「夫婦」と「22世紀」の2つの意味が込められています。将来的には、カップルがご結婚されるたびに木を植え、その木々によって大きな森を作りたいと考えています。そして、子どもたちがその森で環境のことを学べれば、ウェディングを通じて22世紀の子どもたちに何かを残せるのではないかと思っています。

― 梶谷さんは、人との出会いを大切にされているようですね。

梶谷隆之さんはい。でも本当は、自分から人に働きかけるのは苦手なんです。が、不思議と自分の好きなこと、やりたいことのためならできるものですね。環境問題についても、初めは何も知らなかったので、自分からいろいろな団体に話を聞きに行って学びました。関連するイベントにも積極的に参加するようにしています。環境活動をしている人たちは横のつながりが強いので、自然と人脈が広がります。情報もすべて人から得ていますね。何をするにしても一人ではできません。まわりの人に恵まれているので、やりたいことができているのだと感謝しています。

― 今後、注力していきたいことは何ですか?

まずは「green wedding 22」プロジェクトをもっと広めていくことです。とにかく持続することが大切だと思っています。たとえば、株式会社ナチュラスハウスという企業は、もう何十年も前から有機野菜を扱っていて、世の中がどう動こうと、自分たちが正しいと思うことをやり続けています。当社もその姿勢を見習って、まずは続けていくことが目標です。

昨今、CSRという言葉が飛び交っていますが、実際は、企業が自社のブランドイメージを上げるために、活動内容を消費者に伝えることが目的になっている、表面的で一時的なものが多いような気がします。それならばいっそのこと、消費者も巻き込んだ活動にしてしまえば、持続性が高まるのではないかと考えました。消費者を巻き込むには、業界全体で取り組むほうが伝わりやすい。そのためにも、まずはブライダル業界に「green wedding 22」プロジェクトを広めていきたいですね。

梶谷隆之ほかにも、「いのちのリレー」プロジェクトというものを立ち上げました。これも人脈から生まれたビジネスで、葬祭業界にも社会貢献活動を広めようという取り組みです。たとえば、葬儀の返礼品による「1ギフト1ワクチン」の実施や、ワクチンの届け先であるラオスからお茶を輸入して返礼品として使ってもらうフェアトレードのようなもの、そのほか名刺10枚につき1ワクチンを寄付する「10カード1ワクチン」など、いくつかのメニューを用意し、お客様に選んでいただけるようにしています。この活動も続けていくことが大事なので、葬祭業界全体で取り組んでいきたいですね。

― 次回、登場予定の藤野正成さんとの出会いや、その後のお付き合いについて教えてください。

葬儀会社を専門にコンサルティングを行う、株式会社トランスブレインのプロモーションディレクター・藤野正成さんは、2年ほど前にある人を介して知り合った友人です。今回、彼と一緒に「いのちのリレー」プロジェクトを立ち上げることになりました。友人としてのお付き合いからビジネスが生まれるなんて、ご縁とは不思議なものですね。